インドネシアのジャカルタというと、どんなイメージをお持ちですか?

日本のニュースではテロやデモの映像が流れているし、なんだか危険なイメージ…。
2016年にはイスラム教過激派によるものと言われているスターバックス襲撃テロや、2019年6月の大統領選挙時には激しいでもがありました。デモが行われている時は当然その周辺は危険です。
しかし、筆者が2年間現地で生活を送った感想としては「気を付けて生活していれば危険に遭遇する可能性が低い国」だと思っています。私自身、2年住んでみて、危険な目に遭遇したことは1度もないです。
この記事では、ジャカルタで実際に日常生活を送る上でどういうリスクがあるのか、また危険を回避するためにどういう対策をとれば良いのかをお伝えしていきます。
リスク
スリ、窃盗
ジャカルタで1番遭遇する確率が高いのがスリなどの軽犯罪です。
ショッピングモールでタクシー待ちをしている時にカバンを持ち去られてしまった、街を歩いている時にカッターでカバンを切られ中身を盗まれた、公共バスでナイフで脅され現金を奪われた…等金品を狙った犯罪が1番多いです。
現地の人からすると、日本人はお金持ちだと思われている事が多いので、身の回りのものには常に気を配り油断しないようにしましょう。
スリをする人はターゲットをじっくりと観察して狙いを定めて近づいてきます。警戒している様子を見せるだけでも狙われにくくなりますので現地では気を引き締めて行動しましょう。

痴漢などの性犯罪
現地の人は日本人女性が好きな人が多いです。インドネシア人にはない肌の白さが魅力的にうつる事が多いようです。
現地では肌を露出する格好は控え、公共交通機関を使用する時は周囲に警戒しましょう。痴漢はスリと同じで、「この人は警戒している」と思うだけで近づかなくなる事が多いです。
またジャカルタでは意外とお酒を飲める店が多いです。ブロックMなどの日本人街では日本の居酒屋のような店も多く、安心して飲みすぎてしまうこともあるかと思いますが、酔っぱらって帰った時に家にカギをかけ忘れ、人が侵入してきたことに気づかず乱暴されかけたという事件もあったので酔っぱらう事によるリスクは日本よりも大きいです。
現地でのお酒はほどほどにし、意識がしっかりとあるうちに家に帰るようにしましょう。
交通事故
ジャカルタでは日本のような「歩行者優先意識」はドライバーに根付いていません。
少しの隙間があればバイクだろうが車だろうが我先にと詰めまくり、スピードもあまり落とそうとしません。なのでジャカルタではしょっちゅう交通事故が起きています。
最近では整備が進んでいる地域もありますが、日本のように綺麗な歩道があり、歩行者が安心して歩けるような道はジャカルタにはあまりありません。交差点などではバイクや車がスピードを落とさないまま爆走する光景もよく見かけます。
文字通りどこからバイクや車が飛び出してくるかわからない上、彼らは歩行者に道を譲るという意識があまりないので本当に危険です。交差点などでは必ず1度立ち止まって周囲を確認し、歩きスマホやよそみ歩きは絶対にしないようにしましょう。

デモ、テロ
ジャカルタではデモが数か月に1回、多い時は月1くらいの頻度で発生します。
デモが行われる理由は主に政治や宗教に関することで、場所はタムリン(サリナデパートのあたり)やモナスで行われることが多いです。
暴力沙汰になることは少ないですが、2019年4月の大統領選挙では対立陣営側が暴徒化し死者も出るほどの激しいデモとなりましたので、デモが行われている場所には近寄らないで下さい。
またイスラムの断食月(ラマダン)中はテロが勃発することもあります。この時期はモナスや教会等には近づかない方が無難です。
デモの情報はジャカルタ日本大使館にて公表されていますので目を通しておきましょう。 https://www.id.emb-japan.go.jp/jakarta.html
危険な目に遭わないための自己防衛策
服装
女性
ジャカルタの女性は基本的にはあまり肌を露出しません。高級モールに行けばノースリーブにスカートといった服装をしている女性も居ますが、大体は下の写真のようにヒジャブを着用し肌の露出を抑えた格好している人が多いです。

ヒジャブを着用する必要はありませんが、気軽な気持ちで露出度の高い服装をしていると痴漢などに狙われる確率も高くなります。 半袖か長袖のトップスに裾が長めのパンツスタイルがおススメです。またブランド物のバッグなど、高級品はスリに狙われやすくなりますので身に着けないようにしましょう。バッグはノーブランドでななめがけのものが両手も空くし狙われにくいです。
男性
現地の男性は多くが「バティック」と呼ばれるジャワ更紗のシャツにチノパンなどを履いている事が多いです。

ワイシャツにビジネススーツのパンツという格好は現地ではあまり見かけることはありません。
もし可能であれば、バティックを着用すればより現地に溶け込めるでしょう。男性も女性同様、ブランド物はなるべく身に着けない方が安心です。
場所
比較的安全な場所
高級ショッピングモールの中は比較的安全です。
モールに入る前に全ての客が手荷物検査と身体検査を受けるので、危険物を持った人物が紛れ込む可能性も低いです。
だからと言って油断は禁物なのでカバン、財布、スマホは机の上に放置したりせず、常に肌身離さず持っているようにしましょう。
トイレに行くときも貴重品は必ず身に着けるようにしてください。

気を付けたい場所
ローカル向けのショッピングモール、モスク周辺、観光地(ジャカルタだとモナスなど)、路地裏などはスリやぼったくりが発生しやすい場所です。
ローカル向けのショッピングモールは警備も手薄であることが多く、またモール内も混沌としており綺麗な服装をしていると浮きます。高価なものを身に着けず、シンプルな服装だと馴染みやすいです。
高級ショッピングモールの近くでも、1歩路地裏に入ると乞食やスリが徘徊する治安があまり良くない通りに出ることもあります。道を歩くときは常に周囲に気を配りながら歩きましょう。

クニンガンにあるローカル向けショッピングモール
また歩道橋が所々にありますが、歩道橋は強盗などに挟み撃ちにされると逃げ場がなく危険な場所です。実際に高級ショッピングモールグランドインドネシア近くの歩道橋では度々外国人を狙ったスリが発生していました。(その歩道橋は現在は撤去されています)歩道橋を渡る時は十分気を付けて下さい。
交通手段
ジャカルタでの主な移動手段はタクシー、MRT(地下鉄)、バス、GojekまたはGrabのいずれかになります。
安全度と利便性の高さでいうと、ブルーバードかエクスプレスのタクシー> MRT >GojekまたはGrab > バス の順です。
ブルーバードまたはエクスプレス社のタクシーは安全ですが、ジャカルタは渋滞がひどいのでハマると少しの移動でも長時間車内に閉じ込められることになります。そこで2019年3月に開通したMRTが非常に便利ですが、まだ中心部の限られた区間しか走っていないので中心部でない場所に移動する場合はMRTは使えません。

MRT車内は意外と清潔で快適
タクシーもMRTも走っていない場所の場合はGojekまたはGrabの配車アプリをダウンロードしておくと便利です。現在地と目的地がアプリ上で指定できる上、GojekまたはGrabのドライバーは結構どこにでもいるので呼べばすぐ捕まる事が多いです。

ただ英語が出来ないドライバーも多いので、そうなると翻訳アプリを駆使しながらやりとりすることになるのですが、インドネシア語スラングを使ってくることも多いのでそれをやられてしまうと上手く翻訳出来ない事もしばしば。
インドネシア語が多少わかる方なら非常に便利なアプリです。
またローカルは公共のバスを使って移動する事が多いですが、バスの中は痴漢やスリが多いので外国人にとってはあまり安全ではありません。(現地人も外国人が乗ることはあまりおススメしていません)よっぽどのことがない限り使用しない方がいいでしょう。
まとめ
ジャカルタではデモが行われている場所など危険なところに行かなければ、日常生活を送る上で命の危険を脅かされるような事はありません。
しかし前述したとおり、スリなどの軽犯罪は巻き込まれる可能性が高いので警戒心は常に持つようにしましょう。車やバイクなどの飛び出しにも十分気を付けて下さい。
これらの事に気を付けていればインドネシア人は基本的にフレンドリーですし、楽しいジャカルタ生活になると思いますよ!:)